バレエに思うこと

バレエを観ることに目覚めたじいさんです

海賊(Le Corsaire )

海賊と言うと七つの海を股にかける荒くれ者という感じですが、この海賊の活動場所は地中海の中のイオニア海。それもプロローグとエピローグの2回難破している。格好いいけど情け無い海賊だなあ。

それでもって第一幕はアドリアーノの女奴隷市場で第三幕はパシャのオダリスクと「なんと悪趣味なバレエが存在するものだ」と最初見た時は思った。

尤も作品作成当時はこの環境が普通だったかもしれないけどね。

だからyoutubeなんかでも海賊の全幕ものは見たい気が起きなかった。

それでも、あの第二幕のグランパドドゥは好きだったけどね。

ところが、そのうち、第一幕の奴隷のパドドゥやオダリスクのパドトロワを見るうちに女奴隷を扱っている作品なのに面白く感じたり、美しく感じたりするようになってしまった。

ググってみたら、リッカルド•ドリゴ、レオ•ドリーブ、チェザーレ•プーニといった有名バレエ作曲家やオルデンブルグという作曲の才能ある公爵が作曲した曲が有名な踊りの曲として加えられているのでした(レオン•ミンクスの曲が入っているものもありますね)。

そのうちに海賊の全幕ものを見るのにも慣れてしまって、ランケデムの「金を払え」のマイムがないボリショイバレエの奴隷のパドドゥが物足りなく思えたりしています。

やはり素晴らしい作品ではありますね。

ついには、継ぎはぎのあるバレエ作品なので、バレエ団によりいろいろなバージョンがあってYouTube で探し回ったりするようになってしまいました。

ところでアドリアーノってググると海に面していないように見えるけど、当時は海に面するぐらい大きかったのかな?それもイオニア海から遠く離れていて、エーゲ海に近い。尤も、海は繋がっているけどね。