バレエに思うこと

バレエを観ることに目覚めたじいさんです

ファラオの娘

ブルーレイでボリショイ版を見たのですが、単に探検家がアヘンを吸って見た夢の話だけではないような気がします。

太古のピラミッドの棺の中で眠るアスピシア王女、王女には相思相愛の貴族がいた。しかしエジプト最強の王は、国力拡大のために王女を他国の王に嫁がせる。

棺は「エジプト最強の王の娘」のものとなっているので、結婚する前に、アスピシアは死んでしまったのだと思う。

そして相思相愛の貴族もアスピシアと前後して、不幸な死に方をしてしまったのでしょう。

無念な思いで死んだアスピシアの思いが悠久の時を経て、相思相愛の貴族と同じ同期を感ずる探検家の夢に現れて、アスピシアの思いを成就させた。

こう考えるとアスピシア出現の時や帰棺の時の穏やかな音楽、投げキスをして迎え入れるような出現、投げキスをして満足そうな、しかし寂しそうな帰棺シーン、そして探検家が呆然と歩くシーンまでが、しみじみとして感じ入るものがあります。

もしかしたらピラミッドに避難するきっかけとなる突風からしてアスピシアの「思い」がなせる技かもしれません。